ピクサー映画「リメンバーミー」の楽しみ方と良い作品に隠された4つの要素
「リメンバーミー」を見てきました。
@https://www.disney.co.jp/movie/remember-me.html
家でサウンドトラック聴きながら、見に行ける日がくることを願っていました。
特に映画好きというわけではないのだけど、子持ちの母が、映画館で映画を見るのってとても贅沢な時間で敷居が高いんですよね。
そして作品は「素晴らしい!!大傑作!ブラボー ピクサー!」の一言でした!
「死」をテーマにしているだけに、いろんな捉え方や感じ方はある。
だけど、私はアメリカのエンターテインメインとの力をまざまざと見事に見せつけられた気分。そして、そんなクリエイティブな仕事を創るスタッフの方々に、大きな尊敬と拍手を送りたい!
にわかPixarファンの私が、評論とその楽しみ方をご紹介。
1. 原題と邦題
2. 監督
3. 3つのテーマ「メキシコ」「死 」「家族と夢」というテーマの選択
4. 良い作品が必ずおさえている4つの要素
5. 晩御飯はメキシコ料理に決まり!
1. 原題と邦題
原題は "Coco" 。邦題は「リメンバーミー」。
邦題にすることで「あれ?」って思うことが多い中、この作品に関しては邦題の方が良いですね。
"Coco"はストーリーの中でもキー人物。ストーリー全体を通してのメッセージの一つである"リメンバーミー”、こちらの方がしっくり。
2. 監督
監督は『トイ・ストーリー3』でアカデミー賞を受賞したリー・アンクリッチ監督。こんな仕事をする彼が、めちゃくちゃ羨ましい。思いっきり嫉妬。笑
そして、作品中の演奏曲「リメンバー・ミー」は「アナと雪の女王」の "Let It Go"を手がけた、クリステン・アンダーソン=ロペス&ロバート・ロペス夫妻の作詞作曲。
トイストーリー3の大ヒット監督とアナ雪の大ヒット曲の作詞作曲者の制作。
もうこれは「鬼に金棒」
アナ雪の時みたいに、作品だけでなく音楽のヒットも狙ったものでしょうか。
アメリカ時代、Pixarの作品の完成パーティーに参加!あまりいい写真がなくでその良さが伝わらないスポットとクオリティだけど^^;演出・エンターテインメントもう何もかも想像以上のパーティでした!
3. 3つのテーマ「メキシコ」「死 」「家族と夢」というテーマの選択
・メキシコ
まず、舞台は、メキシコ。メキシコの文化がたっぷりと詰まったストーリー。
かつてのディズニー映画にはよくあった他文化や人種を扱ったストーリーだけど、どうも白人目線が抜けきれていない作品とは違い、メキシコをよく知る方が見ても、メキシコ文化に忠実だと。
現地に足を運び調査をしたり、メキシコ人へのリサーチを綿密にして作られたもの出そう。
アメリカにとって、不法移民の問題などメキシコ人・メキシコは決して最良な関係を保っている訳ではない。
そんな中、あえて、この国の文化をテーマに持ってきたところに、私はやっぱりアメリカの多様性という土壌と懐の大きさを感じる。
Pixar映画って、アメリカのちょっとした社会問題を風刺したり、写しだしたりする作品がありますよね。そこが、単に「面白かった・感動した」を超え、その作品の奥深さを味わい感動するポイント。
大好きな「Wall-E」は大量消費社会や地球のゴミ・環境問題、肥満問題などに警鐘を鳴らしている作品。
・死
言葉を持たないもの(動物やおもちゃ)に言葉と感情を持たせ、「非現実」世界を作り出しているのに、しっかりと人間の感情に入り込み共感させるのが得意なピクサー。
これまでの作品と同様に、今回も「死後」の世界の死者たちに言葉と感情を吹き込んだ。
「でも、待てよっ。」
これって全く非現実なことではないよな。「死後」の世界があるとすると、これってマンザラ作り話でもなく、「現実的」にこんな世界があるんじゃないかと思ってしまう。
「あの世はいいとこ。いいとこやから行ったら帰って来られへん」と。
うちの祖母からこんな台詞を聞いたことがありました。
「リメンバー・ミー」が映し出す「あの世」は本当に美しいところ。メキシコらしいカラフルな死者の国を作り出し、あの世でさえ「こんなところに行ってみたい!笑」と思わせるところはさすがっ!
©️ Disney/Pixar
映画中、印象に残った台詞の一つは「人間は2度死ぬ」=一度目は、肉体的な死。そして、二度目はその人の存在を忘れてしまった時に本当に人は死ぬ
メキシコ人の先祖の供養や家族の結びつきを重んじる文化は、アジア文化に似ている。地理的にはもちろんアメリカが近いけれども、アメリカには先祖供養の風習はない(ように思える)。メキシコ先住民はモンゴロイド系らしく、やはりそういう点でアジアとの文化的共通点があるのかも。
・家族と夢
家族の価値観と自分の夢。これって日本人やアジア系の家族には多く共感できるテーマ。人間の普遍的なテーマですよね。
「家族の価値観より、自分の夢を追い求めるんだ」と陳腐な展開ではなく、「やっぱり夢より家族が大切だよね」といったありきたりな形で着地をしている訳ではない。
最終的には、自分のやりたいこと・好きなことで、結局は時を超えて家族を結びつけたんです。
家族の価値観と自分の本質が衝突した時、
「なんでこんな家族に生まれてきたんだ」
「家族なんていらない。」
そう衝動的に思ってしまう主人公のミゲル。
その気持ちわかるよっ!!私もかつては、家族が私に願うことと、私がやりたいことは違う!そうずっと、その葛藤をどう心でバランス取るかにエネルギーを使っていたような。燃費わるいなっ (笑)
けど、実は解決策って「どっちか」「何かを選んで何かを捨てる」ではなかったりするんですよね。
自分を生きたら、家族が祖先が繋がった。
「 でも忘れないで。家族はあなたを愛しているということを」
映画の中のメッセージでもありましたが、反対されても、衝突しても、この部分は決して揺らぐことがないのが家族なんですよね。
4. 良い作品が必ず抑えている4つの要素
良い作品には、必ず必要な要素が入っている。
⑴「人間の普遍的・誰しもが共感できるテーマであること」
今回の場合だと「死」や「家族の絆」「自分の夢」
⑵「感動」
間違いなく泣かされます!
⑶「笑い」
ちょっとシュールな笑いを散りばめてくるところもPixarらしいですよね。あの世で メキシコが誇る画家「フリーダ・カーロ」を登場させてきたのは、ピクサーらしく、ツボでした。
⑷ 一貫したメッセージ
"リメンバーミー"
5. 晩御飯はメキシコ料理に決まり!
映画後は、お目当なレストランが1時間待ち!ということで、ひょんなことからメキシコ料理屋さんに行くことに。
レストランのインテリアは、映画の中でみた切り絵の飾り「Papel Picado(パペルピカド)」(今調べて知った!笑)
via: https://www.amazon.com/Beautiful-Mexican-TISSUE-Picado-Banner/dp/B01MSHLAPE
店員さんと映画のことなど話しながら、映画をメキシコを2倍楽しめた夜でした。
メキシコって日本とは接点が少ない国ですよね。
映画に限らず、私たちが体験することって「あー面白かった!」で終わってももちろんいいんだけれど、作品や体験を通して新しい世界を垣間みたり、自分の視野をちょっとばかり広げることができれば、人生に深さをもたらすことができる。
映画の後は、メキシコ料理を味わって、こんな「メキシコ・デー」な過ごし方もオススメです^^